獣医師によるペットの自然食・自然療法ガイド

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2016-2017 ⓒ Wholly Vet ナチュラルアニマルヘルス

獣医が奨める猫のスーパーフード7選

2017/10/15

自然のパワーがぎゅっと詰まったスーパーフード。猫のごはんにトッピングするだけで健康維持や老化防止に役立つ食材をランキング形式で掲載しました。ペットフード派の方にも手作り食派の方にもオススメです。

1位:内臓肉

レバー、ハツ、マメをはじめとする内臓肉は天然のマルチビタミン・ミネラル剤!ペットの健康食品を一つだけ選べといわれたら、私たちは迷わず内臓肉をおすすめします。

鶏、豚、牛、羊など動物種によって栄養価は若干異なりますが、基本的な特徴は変わりません。特にペットフードを食べている子は、この3種類を少量ずつ混ぜるだけで見違えるようにイキイキと元気になることがあります。漢方医学的にみると、レバーは血とエネルギーを補って全身の臓器を栄養で満たし、マメは腎臓を潤したり、高齢期に進む冷えを温めることで腎臓の機能を促進する作用があります。

1日〜1週間分ずつ小分けして冷凍保存し、寄生虫を死滅させてから生で与えるのが理想的ですが(豚以外)、匂いが気になる場合やローフードの経験がない方は、少なめの水で軽く茹でてあげてください。その際、タウリンは溶け出してしまうため、ゆで汁も一緒に与える必要があります。ビタミンB群の多くは調理によって壊れてしまいます。

消化酵素や善玉菌(プロバイオティクス)を豊富に含むグリーントライプ(牛、羊など反芻動物の胃袋)もおすすめです。人の食用に売られているミノはこれらの成分が洗い流されてしまっているので、ペット用の製品を探しましょう。

与える量

体重1kgあたり1日1gずつ

例)体重5kgの場合の1日量

  • レバー:5 g
  • マメ:5 g
  • ハツ:5 g

レバーは与えすぎるとビタミンAの過剰摂取を起こす場合があるため、分量を守りましょう。マメやハツはこの2〜3倍まで増やしても大丈夫です。

肉を生で与える際の注意点

2位:卵

卵はネコ科動物にとって大昔から欠かせない重要な栄養源でした。卵黄は、免疫系の健康を守るビタミンD脳の健康を守るコリンを含み、アラキドン酸(猫に必要なオメガ6脂肪酸)やビタミンEセレン、ルテインなどの抗酸化成分も豊富。卵白は、優れたタンパク質源で全種類の必須アミノ酸が含まれています。また、卵の殻も捨てずにとっておくと、自宅でカルシウムサプリメントを作ることができます。

猫ちゃんはゆで卵をそぼろにしたものを好む場合が多いですが、衛生面に気をつければ生のまま与えることもできます。

与える量
  • うずらの卵:1日1〜2個(殻ごと生で与えてもOK)
  • 鶏卵:トッピングの場合は1/4〜1/2個、主食にする場合は必要なカロリー/タンパク質量に合わせて与えてください。
卵の殻でカルシウムサプリを作ろう

3位:生の骨

肉食動物の猫ちゃんに欠かせないもう一つの健康食品が生の。猫は人間よりもたくさんのカルシウムを必要としていますが、一番自然に近い形で与えることができるのが骨と卵の殻です。カルシウム以外にも、ヨウ素以外のほぼすべてのミネラルを与えることができます。猫ちゃんにおすすめなのは、鶏のネックや手羽、ドラムスティック。噛むことで歯と歯茎を丈夫にし、猫ちゃんの野生の本能を満足させることができます。

生で与える必要があるため、初めての方は必ず給与ガイドを読んでから与えてください。

骨付き肉給与ガイド(給与量自動計算機能あり)生ものを与える際の注意点

4位:刺身

オメガ3脂肪酸は猫にとって非常に大切な栄養素です。ガンや関節炎、皮膚病、腎臓病、心臓病などさまざまな病気の予防から免疫系の正常化、痛みの抑制まで、ありとあらゆる場面で活躍しています。イワシ、サンマ、サバなどの青魚や脂ののったサーモン、ハマチなどに多く含まれています。

最近のペットフードにはオメガ3脂肪酸源として魚油を使用しているものが多くみかけられますが、魚油は空気に触れると酸化し、かえって健康の害になるため、こういったペットフードを探すよりも、刺身や魚油サプリメントをトッピングしてあげたほうが効果が高いでしょう。

また、猫ちゃんは脂肪分の多い魚ばかりを食べていると、脂肪織炎を起こすことが知られています。刺身は主食ではなく、トッピングとして与えましょう。主食の場合は週1〜3回を目安に。

与える量
  • 刺身:トッピングとして好きなだけ。週1〜3回なら主食として与えても◎
  • フィッシュオイル、サーモンオイル、クリルオイル、イ貝オイルなどのサプリメントで与える場合は、DHAとEPAの合計量1頭あたり10mgを目安にスタート。

5位:動物性繊維

私たち人間はお腹の調子を整えるために野菜などの食物繊維を摂りますが、肉食動物である猫ちゃんに同じ役割を果たしてくれるのが動物性繊維、つまり動物の皮や腱、軟骨に含まれる繊維です。生の鶏肉の皮軟骨スジ肉をご飯に混ぜたり、無添加無漂白豚耳などの噛むおやつを与えるとよいでしょう。

野菜や猫草、ペットフードに含まれる植物由来の繊維にも毛玉や便秘などを物理的に解消し、糖尿病などのリスクを抑制する効果がありますが、動物性繊維がより優れている点は、これらの作用に加えて腸内環境を整える力があると考えられることです。ネコ科の野生動物の研究では、精肉を与えるよりも、皮を含めた動物の肉を丸ごと与えた方が腸細胞の栄養になる脂肪酸の量が増え、インドールなどの有毒物の生成が減ることが示されています。

6位:抗酸化作用の高い野菜・果物

あらゆる病気は酸化と炎症から始まるといっても過言ではありません。その酸化や炎症から体を守ってくれるのが野菜や果物に含まれるビタミンやフラボノイド、ポリフェノール等のフィトケミカル。猫ちゃんは完全な肉食動物なので原則的には野菜は必要ありませんが、これらの抗酸化成分の効果を利用しない手はありません。生ではなく軽く茹でた野菜を刻んでトッピングしてあげると、これらの成分が利用されやすくなります。

おすすめの野菜・果物

  • アブラナ科の野菜:ブロッコリー、ケール、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワー、水菜、カブ、クレソン、大根など
  • そのほかの野菜:にんじん、アスパラガス、セロリ、しいたけ、舞茸など
  • 果物:ブルーベリー、りんごなど(果物は生のままでOK)

ジュースやピューレにすると、糖分が吸収されやすくなるため、食後に血糖値が上がりやすくなり、肥満や糖尿病などのメタボの原因になるので気をつけて。

自分たちが食べる野菜を調理するついでに猫の分を切り分けて冷蔵または冷凍保存しておくと便利です。野菜や果物を切らしてしまった時や時間がない時のために、アスタキサンチンやビルベリーなどの抗酸化サプリを常備しておくのもいいかもしれません。前述の卵の黄身にもルテインやビタミンEなどの抗酸化成分が含まれています。

与える量
  • ご飯の量に対し1割程度を目安に

7位:ターメリック

カレーのスパイスとして有名なターメリック(ウコン)は、抗炎症、解毒、免疫調整、抗腫瘍、胃腸機能増強など、幅広い作用が報告されているハーブです。有効成分のクルクミンは脳にも届くことがわかっています。

毎回の食事にぜひ少量をふりかけて与えて欲しいスパイスですが、難点は吸収されにくく、ウンチがにんにく臭くなる場合があること、タオルやカーペットに付くとシミになることです。

ターメリックからクルクミンを抽出したサプリメントとして与えることもできますが、抽出物は間違った実験結果を出しやすいことが報告されており、その真の効果については現在疑問視されています。サプリメントとして与える場合は、三種類のクルクミノイドすべてを含む高吸収型を選びましょう。

与える量
  • 小さじ1/8〜1/4杯を食事にふりかけます。便の臭いが気になる場合は臭いがしなくなるまで少しずつ減らしてください。
  • クルクミンサプリメントで与える場合は、体重1 kgあたり10 mgから

その他

人や犬のスーパーフードとはちょっと違う猫のスーパーフード、いかがでしたか?

今回はペットフードや手作り食で不足しやすい栄養素を補うことができ、効果の高いものを選んで紹介しましたが、きのこエキス(特にコルディセプス)、スピルリナやクロレラボーンスープ、酵母フレーク(ニュートリショナルイースト)、しょうがなど、猫ごはんのトッピングに使えるスーパーフードは他にもたくさんあります。ぜひ毎日の食事に少しずつ取り入れてみてくださいね。

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