獣医師による手作り食・自然療法ガイド

獣医が奨める犬のスーパーフード8選

自然のパワーがぎゅっと詰まったスーパーフード。犬のごはんにトッピングするだけで健康維持や老化防止に役立つ食材をランキング形式で掲載しました。ペットフード派の方にも手作り食派の方にもオススメです。

1位 内臓肉

  レバー、ハツ、マメをはじめとする内臓肉は天然のマルチビタミン・ミネラル剤!ペットの健康食品を一つだけ選べといわれたら、私たちは迷わず内臓肉をおすすめします。  

  • レバー(肝臓肉)

ビタミンAが豊富で、ビタミンB群タウリン、手作り食に不足しがちなセレン亜鉛も補えます。

  • ハツ(心臓肉)

心臓の健康に欠かせない必須栄養素のタウリンを含んでいます。オメガ6脂肪酸も補えます。

腎臓が弱りやすい高齢期に特におすすめ。抗酸化栄養素のセレンが豊富で、コリンなども補えます。

鶏、豚、牛、羊など由来によって栄養価は若干異なりますが、基本的な特徴は変わりません。漢方医学的にみても、肝・腎・心は犬で一番異常が起こりやすい臓器なので、若いうちからレバーやマメ、ハツで機能を強化することがおすすめです。タン(舌)、フワ(肺)、脳味噌、膵臓なども手にはいれば挑戦してみましょう。

薬膳の基本「腎臓病にはマメ、心臓病にはハツ、肝臓病にはレバーを」

1日〜1週間分ずつ小分けして冷凍保存し、寄生虫を死滅させてから生で与えるのが理想的ですが、臭いが気になる場合やローフードの経験がない方は、少なめの水で軽く茹でてあげてください。その際、タウリンは溶け出してしまうため、ゆで汁も一緒に与える必要があります。ビタミンB群は調理によって壊れてしまいます。 消化酵素や乳酸菌を豊富に含むグリーントライプ(牛、羊など反芻動物の胃袋)もおすすめです。人の食用に売られているミノはこれらの成分が洗い流されてしまっているので、犬用の製品を探しましょう。

体重1 kgあたり1日1 gずつ(食事全体の5% または 体重の0.1%)

例)体重15kgの場合の1日量

  • レバー:15 g
  • マメ:15 g
  • ハツ:15 g

レバーや腎臓は解毒排泄器官です。家畜に使用されていた薬物や飼料添加物はこれらの臓器に集まるので注意しましょう。適量を守ることで、これらの化学物質の影響を受けずに薬膳効果を出すことができます。   また、レバーはビタミンAの濃度が濃く、与えすぎはビタミンA過剰症を起こすことがあります。マメやハツはこの2〜3倍まで増やしても大丈夫です。

内臓肉給与ガイド

2位 卵

2〜4位の食材はどれも甲乙がつけがたいものばかり。その中でも免疫系の健康を守るビタミンD脳の健康を守るコリンが豊富なのが卵です。最近の研究では卵にはアレルギーを抑制する作用があることも明らかになっています。そのほか、被毛をツヤツヤにするオメガ6脂肪酸、抗酸化成分のビタミンEセレン、ルテインなども含まれています。 卵白はバランスの良いタンパク質源で全種類の必須アミノ酸を含んでいるという利点がありますが、生で大量に与えるとお腹を壊すことがあるので気をつけて。白身は固め、黄身は生〜半生で与えると、栄養効率が一番よくなります。 卵の殻も捨てずに取っておきましょう。カルシウムサプリとして利用することができます。

  • 小型犬:1日1/4〜1/2個
  • 中型〜大型犬:1日1〜2個
  • 超大型犬:1日3個〜

初めて与える時はお腹の調子をみながら少しずつ量を増やしていきましょう。

卵を与えるとお腹がゆるくなるのはなぜ? 卵の殻を再利用!カルシウムサプリ

3位 生の骨

身体的にも精神的にも強い安定した状態を保つのに役立つのが生の骨です。トッピングではなくおやつとして毎日または週2〜3回与えるのがおすすめ。犬は人間よりもたくさんのカルシウムを必要としていますが、一番自然に近い形で与えることができるのが骨と卵の殻です。カルシウム以外にも、ヨウ素以外のほぼすべてのミネラルを与えることができます。 硬い骨を噛むことで歯や歯茎を丈夫にし、ストレスを発散することができるため精神的にも穏やかな子になります。 生で与える必要があるため、初めての方は必ず給与ガイドを読んでから与えてください。

骨給与ガイド

4位 刺身

オメガ3脂肪酸は犬にとって非常に大切な栄養素です。ガンや関節炎、皮膚病、腎臓病、心臓病などさまざまな病気の予防から免疫系の正常化、痛みの抑制まで、ありとあらゆる場面で活躍しています。イワシ、サンマ、サバなどの青魚や脂ののったサーモン、ハマチなどに多く含まれています。 最近のペットフードにはオメガ3脂肪酸源として魚油を使用しているものが多くみかけられますが、魚油は空気に触れると酸化し、かえって健康の害になるため、こういったペットフードを探すよりも、刺身や魚油サプリメントをトッピングしてあげたほうが効果が高いでしょう。

  • 刺身:トッピングとして好きなだけ。週1〜2回なら主食として与えても◎
  • フィッシュオイル、サーモンオイル、クリルオイル、イ貝オイルなどのサプリメントで与える場合は、DHAEPAの合計量として、体重5 kgあたり100〜150 mgを目安に。

5位 ヨーグルト(プロバイオティクス)

“病気の8割は腸から” この言葉は犬にも当てはまります。くさ〜い外耳炎など、一見何の関係もなさそうな病気にも腸が関わっています。その腸の健康を守ってくれるのがプロバイオティクス善玉菌)。自然発酵させた無糖のヨーグルトやケフィア(ヨーグルトきのこ)がおすすめですが、犬は乳製品でアレルギーを起こしやすいため、犬用の乳酸菌サプリやグリーントライプ、ビオフェルミンを活用してもよいでしょう。 アレルギーを起こしにくいヤギや羊のミルク、ナッツミルクで作ったヨーグルトもおすすめです。サプリやプロバイオティクス入りのペットフードを使用する場合は「十分な量の菌が生きたまま」「胃で消化されずに腸に届く」かどうかをポイントに選んでください。 また、プレバイオティクス繊維も忘れずに与えましょう。腸の中で善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすのに役立ちます。

  • ヨーグルト:大さじ1から始めて、便の形や匂いをチェックしながら量を調節しましょう。
  • グリーントライプ・乳酸菌サプリ:製品の指示に従う
プロバイオティクス (善玉菌)

6位 抗酸化作用の高い野菜・果物

  あらゆる病気は酸化と炎症から始まるといっても過言ではありません。その酸化や炎症から体を守ってくれるのが野菜や果物に含まれるフラボノイドやポリフェノール等のフィトケミカル。完全な肉食である猫とは違い、犬は植物性食品も利用することができます。

おすすめの野菜・果物
  • アブラナ科の野菜:ブロッコリー、ケール、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワー、水菜、カブ、クレソン、大根など
  • そのほかの野菜:にんじん、アスパラガス、セロリ、しいたけ、舞茸など
  • 果物:ブルーベリー、りんごなど(果物は生のままでOK)
新鮮な野菜・果物を与えることがポイントです(ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス、芽キャベツ等は軽く蒸す)。繊維質に弱い子はジュースやピューレにしたり、発酵させると消化しやすくなりますが、糖分も吸収されやすくなります。糖分の多い野菜や果物を使う場合は食後に血糖値が上がりやすくなり、肥満や糖尿病などのメタボの原因になるので注意しましょう。 自分たちが食べる野菜を調理するついでに犬猫の分を切り分けて冷蔵または冷凍保存しておくと便利です。野菜や果物を切らしてしまった時や時間がない時のために、アスタキサンチンやビルベリーなどの抗酸化サプリを常備しておくのもいいかもしれません。 野菜に多く含まれる食物繊維は、お腹の調子も整えてくれます。
  • 上記の野菜や果物はカロリーが低いので、食事の1/4〜1/2の量までを目安に加えることができます。
  • ブルーベリーはそのままウンチに出てくることがあるので潰してあげましょう。
野菜は切って与える?それともミキサーで混ぜる? 無塩発酵野菜の作り方

7位 ターメリック

カレーのスパイスとして有名なターメリックウコンは、抗炎症、解毒、免疫調整、抗腫瘍、胃腸機能増強など、幅広い作用が報告されているハーブです。有効成分のクルクミンは脳にも届くことがわかっています。 毎回の食事にぜひ少量をふりかけて与えて欲しいスパイスですが、難点は吸収されにくく、ウンチがにんにく臭くなる場合があること、タオルやカーペットに付くとシミになることです。 匂いや汚れがきになる場合は、ターメリックから有効成分のクルクミンを抽出したサプリメントを与えることもできますが、クルクミンは間違った実験結果を出しやすいことが報告されており、その真の効果については現在疑問視されています。サプリメントとして与える場合は、三種類のクルクミノイドすべてを含む高吸収型を選びましょう。

  • 体重5 kgあたり小さじ1/8〜1/4杯を毎食ふりかけます。便の臭いが気になる場合は臭いがしなくなるまで少しずつ減らしましょう。
  • クルクミンサプリメントで与える場合は、体重1 kgあたり10 mgから
ターメリック (ウコン)

8位 きのこ

10歳を過ぎた犬の45%がガンで亡くなることをご存知ですか?高齢犬では、食事や環境要因によるDNAダメージの蓄積、免疫力の低下、細胞の抗酸化能力・DNA修復能の低下などにより、正常な細胞がガン化する可能性がずっと高くなるためです。 キノコに含まれる多糖類は、免疫力をあげることで腫瘍細胞を体の中から排除する能力を高めるほか、腫瘍細胞の増殖や転移などを防ぐ効果があることがわかっています。また、葉酸は、DNAの正常な合成・修復・メチル化にたずさわるビタミンですが、この葉酸を豊富に含むのが前述のレバー、緑黄色野菜とキノコです。 日常的な食材で取り入れやすいのは、しいたけまいたけ。若いうちからこれらのキノコをご飯に混ぜるようにし、高齢期(6〜8歳以降)になったら濃縮サプリメントも利用するといいでしょう。サプリメントを使用する際は、しいたけまいたけ霊芝コルディセプスカワラタケ、きくらげなど、複数の種類のキノコを使用したものを選ぶと、抗酸化、免疫、増殖抑制、DNAの維持など異なる角度から腫瘍の発生を抑えるのに役立ちます。コルディセプスには、腎臓保護効果やATP産生能を高める効果など他にも高齢期にうれしい作用があります。

  • きのこ:ご飯に適量を混ぜる
  • 犬用サプリ:説明書に従う
  • 人用のサプリ:
    • 小型犬:人の用量の1/8〜1/4
    • 中型犬:人の用量の1/4〜1/2
    • 大型犬:人の用量の1/2〜

注:リンパ腫など、免疫系のガンがすでに診断されている場合は主治医に相談してから使用を決めましょう。

その他

人のスーパーフードとはちょっと違う犬のスーパーフード、いかがでしたか? 今回はペットフードや手作り食で不足しやすい栄養素を補うことができ、効果の高いものを選んで紹介しましたが、他にもオリーブオイル・ゴマ油・アーモンド(ビタミンEオメガ6脂肪酸)、スピルリナやクロレラボーンスープ軟骨酵母フレーク(ニュートリショナルイースト)、しょうがなど、犬ごはんのトッピングに使えるスーパーフードはたくさんあります。ぜひ毎日の食事に少しずつ取り入れてみてくださいね。