獣医師による手作り食・自然療法ガイド

その他の注意点

血液検査値の変動

手作り食を食べている犬猫では血液検査の正常範囲が普通の犬猫と異なることがあります。かかりつけの獣医さんを慌てさせないために、どんな変化があるか前もって知っておきましょう。

手作り食が血液検査値に及ぼす影響

猫ちゃんに必要なアミノ酸の仲間です。タウリンを多く含む食品(鶏のハツ・レバー、牛タン、ラム・七面鳥・鴨の赤身肉、マグロ赤身、サバなど)やサプリメントで補いましょう。特に次のような場合は不足しやすいので注意が必要です。

冷凍保存する場合

食品中のタウリンの量は、冷凍保存中に減っていきます。冷凍期間が長くなる場合は、サプリメントも利用しましょう。

調理する場合

調理中にタウリンが流出してしまいます。ゆで汁など、調理に使った水も一緒に与えるようにしましょう。

必要なタウリンの量をチェックする
犬と猫の栄養自動計算機犬と猫の栄養自動計算機タウリン

骨の事故に気をつけよう

おやつに与えた骨を丸ごと飲み込んで詰まらせてしまったり、折れた骨が消化管を突き破り死亡する事故がいまだに起きています。加熱した骨(特に鶏の骨)は割れた時に尖がることが多いので避けましょう。生骨は安全ですが、かじらずに丸飲みする傾向にある子は、初めてあげる時に様子をよく観察し、安全性を確認する必要があります。体の大きさにあったものを与えることも大切です。

詳しくはこちらから
骨給与ガイド

重金属汚染

多量の重金属を誤飲しないかぎり救急疾患になることはありませんが、ごく微量の重金属が体内に蓄積することで、肝臓などの内臓の機能が弱まります。水銀などの重金属が比較的多く含まれるマグロやサーモン(脂肪分の多い大型の魚)は給与回数を週1~2回までにするとよいでしょう。


調味料

肉魚中心の食事では、十分量のナトリウムを摂取できるため、食塩などの調味料は基本的に不要です。人や草食動物とは違い、犬と猫は塩味を好むこともありません。好き嫌いが激しく飽きやすい子には、いろいろな食材を日替わりで使用するか、食欲を刺激するハーブなどの使用がおすすめです。

食塩を加える必要があるのは、病気などの理由で穀物・芋類などの炭水化物食品や脂質が多めの食事を与えている場合です。これらの食品はナトリウムが少ないため少量の塩を足してあげる必要があります。微量元素も補うことができる岩塩や海塩がおすすめです。

ひとくちメモ
ペットフードには食塩が0.2〜1%の割合で添加されています。これは肉や魚などの高品質高価格の食材をなるべく少なくし、安価な穀物や芋類で代用しているから。保存料として使われていることもあります。

免疫力と消化力

子犬・子猫・老犬・老猫、抗がん剤や免疫抑制剤(ステロイド、シクロスポリンなど)で治療中の子は免疫力が低下しているため、感染のリスクが高い生ものは避けた方がよい場合があります。

また、胃腸や肝臓の病気がある場合も、消化器系や腸管免疫系の負担を軽くするために、加熱食が推奨されることがあります。

生にする?加熱調理する?

生の卵白を与えすぎるとお腹がゆるくなることがあります。

卵を与えるとお腹がゆるくなるのはなぜ?

アレルギー

牛肉、乳製品などアレルギーを生じやすい食品があります。

犬猫でアレルギーを起こしやすい食べ物ランキング