獣医師による手作り食・自然療法ガイド

ステロイドや抗生物質はいつ使う?

ステロイドは免疫機能を抑制することでアレルギー反応を抑制します。グルココルチコイド、コルチコステロイド、プレドニゾロン、消炎剤などとも呼ばれます。全身に作用する経口薬や皮膚で局所的に作用するスプレー剤などがあります。

免疫を抑制する薬としては、他にシクロスポリン(アトピカ)もアレルギーの治療に多用されています。

初めて使用する際は、まるで奇跡のように劇的な効果が見られるため、獣医師も飼い主も安易に使用しがちです。しかしこれらの薬剤は免疫系を抑制することで目に見える部分の症状を抑えているだけであって、アレルギーの原因を取り除いたり、アレルギーによって起こる体内のダメージを修復しているわけではありません。使用をやめれば症状は再発します。そのため、何度も繰り返し使用したり、長期の間使用することになります。

抗生物質は、細菌や真菌による感染を予防または治療するために処方されます。量が足りなかったり、期間が短かったりすると、完全な効果が得られないため、獣医師に指示された通りの量と投与期間を守るようにしましょう。副作用は、乳酸菌など腸の善玉菌も殺してしまうこと、長期の使用により耐性菌が生じ効果が得られなくなることです。そのため、抗生物質の使用後にはプロバイオティクスを投与すること、長期投与が必要な場合には、種類を切り替えながら耐性菌の発生を防ぐことが重要です。

免疫抑制剤と抗生物質の効果的な使い方は、症状を一時的に抑え、その間にアレルギーの原因を取り除き、食事療法やサプリメントなどを使用して、アレルギーに対する抵抗性を高めることです。そうすることで、これらの薬剤の量を徐々に減らし、いずれは投与しなくても再発しなくなります。

もし、かかりつけの獣医師がそういった指導をせずに、症状が再発したり悪化するたびにこれらの薬剤の使用を繰り返すようなら、別の動物病院に相談しましょう。

ステロイドや抗生物質の処方を繰り返すだけの獣医には要注意!

ステロイドや抗生物質を使うべきとき
  1. ​アナフィラキシー
  2. かゆみが激しく、かきむしってしまう、一晩中眠れない(漢方医学でいう血熱の状態)
  3. 重度の二次感染が見られる
  4. 犬猫が明らかに苦痛を感じている
ステロイド・抗生物質の副作用に使用される漢方薬
  1. 四妙散(ステロイドにより湿潤症状が悪化した場合)
  2. 人参養栄湯(ステロイドの長期使用による疲弊・冷え・消化機能の弱りに)
  3. 除湿胃苓湯、四妙散、三仁湯または逍遙散(抗生物質の長期使用による消化器症状に)
Step 1
原因物質を避ける

まずは原因物質との接触をできる限り減らしましょう。

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Step 2
食事療法

食事やサプリメント、ハーブの力でアレルギーを起こしにくい体を作ります。

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Step 3
漢方薬

症状が重く、ステップ1と2の効果を待っていられない場合には、漢方薬の力を借りることができます。

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Step 4
腸を修復

免疫系全体の70〜80%を担う腸を正常化して再発の防止に役立てましょう。

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番外編
ステロイドや抗生物質はいつ使う?

必要な時には怖がらずに使用。上手に使えば副作用も少なく、長期使用する必要もありません。

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その他
その他の治療方法

アレルギーの治療には他の方法も使用されています。

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