獣医師による手作り食・自然療法ガイド

血中尿素窒素 (BUN)

けっちゅうにょうそちっそ・BUN・尿素窒素・尿素

一般血液生化学検査項目の一つ。体の中で不要になったタンパク質や食事で摂取したタンパク質はアミノ酸やアンモニアに分解され、肝臓に運ばれて尿素になります。尿素は血流にのって腎臓に送られ、尿中に排泄されますが、その50〜65%が腎臓内で再吸収され、再び血中に戻ります。この再吸収率は尿の流量に左右されるため、血液中のBUN濃度は腎機能を示す指標の1つとして利用することができます。

ただし、腎臓だけではなく、肝臓での生成量や食事の内容、体内タンパク質の分解の程度によって大きく影響されるため、基準範囲内から外れている場合は、クレアチニン、SDMAなど他の血液検査項目や尿検査結果、食事内容などと合わせて解釈を行う必要があります。

わかること

肝機能 腎機能 食事の内容

手作り食との関係

手作り食に切り替えると数値が上昇することがあります。これはタンパク質摂取量の増加によるものであり、腎機能が低下したわけではありません。変化は1〜10 mg/dL程度で、正常範囲内やや高めになることがほとんどです。時間の経過とともに再び低下することもよくあります。

 

BUNが上がったからといって腎臓病とは限りません。

基準値
  • 犬:9〜30 mg/dL
  • 猫:17〜40 mg/dL

基準値は検査機器によって異なることがあるため、検査を行った病院の数値を参考にしましょう。朝食前に検査を行うと食事の影響が最小限になります。脱水によっても値が変わるため、水はきちんと飲ませるようにしましょう。

基準値より高くなるのはどんなとき?

  • 肉中心の手作り食を食べている
  • アミノ酸サプリメントを与えている
  • 腎機能の低下(急性・慢性腎臓病)
  • 腎毒性のある薬剤の投与(アミノ配糖体、NSAID、抗がん剤など)
  • タンパク質分解の亢進(発熱、熱傷、感染、甲状腺機能亢進症、テトラサイクリンなど)
  • 上部消化管出血
  • 心不全
  • 尿閉塞・尿道破裂など
知ってる?

BUN自体は毒性の低い物質です。検査が簡単にできるため、窒素を含む他の毒素の代わりにBUNが測定されています。

基準値より低くなるのはどんなとき?

  • 肝障害(肝硬変、門脈体循環シャントなど)
  • タンパク質摂取不足・栄養失調
  • 多飲多尿を引き起こす薬剤・疾患(ステロイド、副腎皮質亢進症など)
  • 尿中または消化管内への重度のタンパク質漏出
  • 腹水など