獣医師による手作り食・自然療法ガイド

ビタミンDについて(アップデートあり)

先日、大手ペットフード会社ヒルズの犬用缶詰に過剰量のビタミンDが含まれていることが判明し、動物病院でも対応に追われています。幸い、日本に入ってきた製品数は限られているようですが、動物病院ではなく輸入品を扱っているショップで購入した方は対象の製品が含まれていないか確認をしましょう。

アップデート
3/20に新たに19製品が自主回収リストに追加されました。缶詰製品をお使いの方(特に輸入品)はロット番号を再チェックしましょう。

ビタミンDは、骨や免疫系の健康に欠かせない重要な栄養素ですが、犬での安全域が狭く、敏感な子は少量の過剰摂取でも嘔吐などの症状を起こすことがあります。

中毒を起こしやすいのは、合成ビタミンDを利用したペットフードを与えている場合や人用のサプリメントや軟膏などを間違えて食べてしまった場合です。今回はペットフードの製造に使った原材料が汚染されていたようですが、出荷前にロットごとの品質調査を行なっていないことが改めて浮き彫りになりました。

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ビタミンD

手作り食を与えている場合

自然の食品では過剰量を与えても中毒を起こす心配はほとんどありません。手作り食の場合は、ビタミンDが豊富なイワシ、ニシン、紅鮭、アジ、さんまなどのお魚を時々主食に使っていれば十分量のビタミンDを摂取できます。サプリメントを利用する必要はありません。ビタミンDは卵黄にも少量含まれています。

猫ちゃんが大好きなしらす干しもビタミンDが豊富ですが、塩分が高くなるので与えすぎに注意しましょう。ビタミンDの給与が目的なら、1日にほんのひとつまみで十分です。

魚・卵アレルギーの場合

上限値を守ってサプリメントを与えるようにしましょう。若いわんちゃんの場合は、きくらげや干しきのこなど、植物性食品に含まれるビタミンD2を利用することもできます。猫ちゃんは、ビタミンD2を活性型のD3に変えることができないため、D3型のサプリメントを利用する必要があります。