獣医師によるペットの自然食・自然療法ガイド

Naturally Healthy & Happy

2016-2017 ⓒ Wholly Vet ナチュラルアニマルヘルス

犬や猫にもパンプキンを

2017/10/27

もうすぐハロウィーンですね。ハロウィーンといえばカボチャですが、ほんのり甘いかぼちゃは犬も猫も大好き。普段の健康管理はもちろんのこと、常備薬としても使える優れた食材です。

かぼちゃの活用方法

抗酸化成分やビタミン、繊維が豊富なカボチャ。犬猫の場合も、皮ごと茹でるか蒸して利用します。普段の健康維持はもちろんのこと、次のような効果があることが報告されています。

  • 便秘や硬いウンチの解消に。食物繊維と水分が豊富なかぼちゃは、昔から犬猫の便秘に使われてきました。便秘しやすい子や便が硬く乾燥しやすい子は、普段から食事に混ぜてあげましょう。ペースト状にして冷凍保存したり、水煮缶を常備しておくと、いざという時にもすぐ使うことができます。効果はすぐに現れる場合も数日かかる場合もあります。

 

  • 大腸炎の緩和に。大型犬に多い大腸炎。カボチャに含まれる食物繊維が大腸で水分を吸収して便の水分量を調節すると同時に有毒物を吸着。また、腸をおだやかに広げることで痙攣を防ぎ、大腸炎につきものの痛みを和らげると考えられています。

 

  • 種は虫下しに。駆虫薬を使いたくない自然派の獣医師・飼い主さんの間では条虫など腸の中の寄生虫の駆除にカボチャの種が使われています。洗って乾燥したものをパウダー状にして小さじ1(小型犬・猫)〜大さじ2(大型犬)を1週間間隔で3〜4回与えます。50%程度で効果があるといわれています。

漢方医学からみたかぼちゃの効能

カボチャは、体を温める性質をもち、胃腸の機能を助けることで、食べ物からエネルギーを作りやすくし、気力体力を高めてくれる作用があります。カボチャに比較的多く含まれている糖分、ビタミンE、ベータカロテン、葉酸などが相乗的に作用してこのような効果を示すと考えられています。

豊富な食物繊維抗酸化成分には、漢方医学でいう内湿(ないしつ)を和らげてくれる作用があります。内湿を現代医学の言葉で説明すると、血液検査などでわかるようなはっきりとした病気はないけれども炎症が少しずつ体内に蓄積しつつある前炎症状態をさします。肉食動物から発生した犬や猫では、炭水化物食品(小麦粉、米、トウモロコシなどの穀類)が内湿の最大の原因です。これらの材料は特にペットフードで多く使われているため、現代の犬猫に非常に多くみられる病態です。初期には、お腹の周りの脂肪の蓄積、水分循環の滞り(むくみ、冷え)、皮脂や粘液の過剰分泌(目やに、耳垢、よだれ、肛門嚢のつまり、脂肪腫)、倦怠感(なんとなく元気がない)として現れ、進行すると、下痢や便秘、尿量の変化、体重の変化などを経て、肥満、糖尿病、甲状腺機能亢進症といった代謝障害、腎臓や肝臓の機能不全、皮膚炎、膀胱炎、関節炎といった炎症を主体とする疾患、癌などの深刻な病気にいたります。普通であれば、この段階でようやく診断を受けて治療が行われるのですが、なるべくなら辛い思いをさせないよう前炎症状態のうちに食事で緩和できれば理想的ですよね。

カボチャ自体も炭水化物を多く含みますが、精製されているものとは異なり、ゆっくりと体に吸収されるため、体内で炎症をおこしにくくなっています。ご飯やパスタ、麺類、トウモロコシなどの穀類を犬猫のごはんに使っている場合は、カボチャに置き換えてみてください。量は同じでもはるかに健康によい炭水化物源になります。

カボチャの種(南瓜子)は人の漢方でも昔から寄生虫の駆除に使用されてきました。特に条虫(サナダムシ)や回虫に効果があると報告されています。また、フィトステロール(ホルモン様物質)が含まれており、母乳の出にくい授乳婦さんにも使用されていたそうです。

かぼちゃの栄養

日本かぼちゃ
(100 g・ゆで)
西洋かぼちゃ
(100 g・ゆで)
かぼちゃの種
(10 g・乾燥)
カロリー 60 kcal 93 kcal 56 kcal
タンパク質 1.9 g 1.6 g 3.0 g
炭水化物 13.3 g 21.3 g 1.1 g
脂質 0.1 g 0.3 g 4.9 g
ベータカロテン 810 µg 3900 µg 1 µg
葉酸 75 µg 38 µg 6 µg
ビタミンE 2.2 mg 4.7 mg 0.22 mg
ビタミンB1 80 µg 70 µg  —
ビタミンB6 130 µg 190 µg  —
マグネシウム 15 mg 24 mg 59 mg
亜鉛 0.2 mg 0.3 g 0.8 mg
マンガン 0.09 mg 0.15 g 0.5 mg
セレン 0.9 µg
食物繊維総量 3.6 g 4.1 g 0.6 g
 不溶性 2.8 g 3.2 g
 水溶性 0.8 g 0.9 g
リノール酸 7 mg 37 mg
ルテイン+ゼアキサンチン データなし 1014 µg 7 µg

白米や小麦と比べると同じ100 gでも、かぼちゃはカロリーや炭水化物量が3分の1近くで、繊維やビタミン、抗酸化成分の量は10倍から100倍になります。

ベータカロテンは犬の体内ではビタミンAに変換されますが、猫ではビタミンAに変換されることはなく、抗酸化剤として働くと考えられています。抗酸化成分としては、ルテインゼアキサンチンも豊富に含まれていることに注目。目の健康にも全身の健康にも嬉しい成分です。日本かぼちゃではデータがありませんが、西洋かぼちゃと同程度の量が含まれていると考えられます。

とはいえ、どんなに健康にいい食材でも与えすぎは禁物です。犬猫の主食はあくまでも肉や魚、卵などのタンパク質食品。かぼちゃはトッピングやおやつ程度にとどめましょう。

また、かぼちゃとかぼちゃの種にはレクチンが含まれています。レクチン除去食を実施中の方は、代わりにさつまいもの利用をおすすめします。

かぼちゃを使ったおやつレシピ

材料

  • カボチャ1カップ
  • 卵2個
  • アーモンドパウダー 1/2 カップ
  • 好みのハーブ 適宜

作り方

  1. カボチャを軽めにゆで、他の材料と一緒にミキサーに入れて、よく混ぜます。
  2. 好みの大きさや形に整え、オーブントレーに敷いたベーキングシートの上に並べます。
  3. 180℃で20〜30分、表面に軽く焼き色が着くまで焼きます。薄めのクッキーにすると早く焼き上がります。

オススメのハーブはパセリ、シナモン(ひとつまみ)、生姜パウダー、砕いたカボチャの種など。

レバーとかぼちゃで作るパテもおすすめ。粉薬を与える時に便利です。

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