獣医師によるペットの自然食・自然療法ガイド

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2016-2017 ⓒ Wholly Vet ナチュラルアニマルヘルス

捨てないで活用!トウモロコシのヒゲ

2017/05/23

もうすぐやってくるトウモロコシの季節。今年は皮のついたものを探して「ヒゲ」の部分を犬猫の健康管理に活用しましょう。

コーンシルク

トウモロコシを皮ごと買うと付いてくるふさふさの「ひげ」。光沢があり、絹糸に似ていることから欧米では「コーンシルク」と呼ばれています。

この部分、実は抗炎症抗酸化などの薬効がある部位。昔から漢方薬として病気の予防や治療に使用されており、現在では、数種類の有効成分が見つかっています。もちろん犬猫でも肥満予防や糖尿病など、病院と家庭の両方で幅広く活用することが可能です。

主な効能

  • 炎症を抑制
  • 血糖値を下げる
  • 水分の循環を促進(利尿作用)
  • 体内に溜まった熱を和らげる
  • 胆汁の排泄を促進
  • 抗腫瘍

家庭での活用方法

家庭での普段の健康管理には、特に次の場合におすすめです。

  • 太りやすい
  • 炭水化物原料の多いペットフードを食べている
  • 雨の日に元気がなくなったり、症状が重くなる

トウモロコシのヒゲは東洋医学でいう「湿邪(しつじゃ)」を取り除くのに効果的です。湿邪は、現代獣医学では「水分貯留」や「脂肪貯留」にあたると解釈されており、体に溜まった湿邪は浮腫や皮下脂肪、よだれ、目やに、分泌物の出る皮膚炎や外耳炎として現れます。湿邪が長期化すると、体内のあちこちで炎症を起こすようになるため、普段の生活での予防と早期対策が大切です。

犬猫の場合、湿邪の最大の原因は炭水化物食品(小麦、米などでんぷん質の多い穀類)ですが、梅雨の季節など、湿気の多い時期には胃腸への負担が大きくなりやすく、消化機能の低下から体内に湿邪がたまりやすくなります。

使用方法はとても簡単。よく洗ってからザルやペーパータオルにのせて2〜3日乾燥させ、ハサミで細かく切って保存。小さじ1(猫・小型犬)から大さじ1〜2(中型〜大型犬)を1日1〜2回食事に混ぜて与えます。または、大さじ1に対し熱湯1〜2カップを注いで「ひげ茶」にし、小さじ1(猫・小型犬)から大さじ1〜2(中型〜大型犬)を1日1〜2回食事や飲み水に混ぜて与えます。

人の場合は乾燥したものをフライパンで乾煎り(ロースト)してから、ひげ茶にすることが多いようです。こうすれば、私たちも犬猫と一緒に楽しむことができますね。

疾患治療への応用

疾患の治療には、エキスや乾燥濃縮ハーブを使用します。他の漢方薬やハーブと併用することがほとんど。

特に肝臓胆嚢腎臓の炎症を抑える効果が高く、血糖値を下げる効果があるため、次のような疾患によく使用します。

  • 猫の脂肪肝
  • 非感染性肝炎・胆嚢炎(黄疸あり・なし)
  • 肝硬変(黄疸あり・なし)
  • 非感染性腎炎
  • 糖尿病

体重1 kgあたり50〜600 mgを1日2〜3回に分けて与えます。漢方処方と混ぜる場合は、漢方処方5〜6に対し、コーンシルク1の割合で混ぜます。

 

注意:

非常にマイルドなハーブなので、大量に与えても問題になることはほとんどありませんが、ビタミンKが含まれているため、ワルファリン治療中の場合は、獣医師に相談してから使用しましょう。

参考文献

  1. Chinese Medical Herbology and Pharmacology. John K. Chen and Tina T. Chen. Art of Medicine Press 2004.
  2. Veterinary Herbal Medicine. Susan G. Wynn and Barbara J. Fougère. Mosby 2006.
  3. Manual of Natural Veterinary Medicine: Science and Tradition. Susan G. Wynn and Steve Marsden. Mosby 2002.

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