獣医師によるペットの自然食・自然療法ガイド

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うちのワンコ・ニャンコに合うお魚はどれ?

2017/01/17

犬猫の主食の魚の選び方を獣医師が解説。

前回の記事ではお肉が体温に及ぼす影響について解説しました。今回はお魚です。魚も犬猫の主食としてお肉と同じくらい重要なタンパク質源です。

お肉の選び方について読む

お肉が体を温める作用が強く、与えすぎると体を熱くしすぎてしまうものが多いのに比べ、シーフードは体を温める作用がおだやか。体を温めも冷やしもしない中間タイプのものも多く、肉と魚の両方を取り入れることで、バランスをうまく取ることができます。

体を温めてくれる魚・冷やしてくれる魚

[体を温める作用]→[体を冷やす作用]の順にお魚を分類すると次の通りになります。同じ海のものとして、貝類や甲殻類なども含めました。

犬猫の主食の魚の選び方を獣医師が解説。
体を温める魚介類

体を温める作用のある魚は、エネルギーを作り出して体全体を温め、気力を養うと同時に、冷えからくるさまざまな不調を解消。全身の代謝機能や循環を活性化させます。どの犬猫にも使える万能食材といえます。

お肉とは違い、体を温める効果は非常におだやかで、体を熱くしすぎる心配はあまりありません。

薬膳作用別にみてみましょう。

  • 胃腸を温めて消化を助ける(サーモン、あじ、まぐろ、ます、たら)
  • 腎臓や尿路系を温める(たら、かれい)
  • 肝臓を温める(えび、たら)
  • 滋養強壮効果があり、体力を回復させる(サーモン、まぐろ、うなぎ)

温める作用のある食物は、冬の寒い時期高齢で冷えが進んだ犬猫、寒がり虚弱体質貧血疲れやすい胃腸が弱いなどの症状が気になる犬猫に特に向いています。

炎症性の疾患(皮膚炎、肝炎、腎炎、腸炎など)の急性期や極度に暑がりな犬猫にはあまりお勧めできません。

中間タイプの魚介類

中間タイプの魚は、体温にはほとんど影響しないため、やはり万能食材といえるでしょう。温度作用ではなく、生理活性や薬膳作用によって選びます。

例えば…

  • 腎臓の機能を活性化して水分代謝を促進(すずき、かつお)
  • エネルギーや血液を補うことで血行や水分代謝を促進(さば、さんま、いわし)

このカテゴリーのお魚は、利尿効果があるものが多いため、唾液分泌が多い犬猫、腎臓病心臓病による浮腫などの症状がある場合にも使用できます。

また、血行促進作用のある食べ物は、体のすみずみまで栄養や酸素を届けるのを助けてくれるため、全身の健康効果に加えて、関節痛、頸部痛などの局所の痛みを間接的に和らげる効果があります。血液を補ってくれる肉や魚(温めるタイプに多い)を一緒に与えると、血液の量と巡りの両方を改善できるので効果が高くなります。

体を潤す魚介類

体を潤すタイプの魚は、体液を補うことで体内温度をおだやかに下げてくれます。皮膚や粘膜の乾燥乾いた咳便秘など、乾燥による症状を起こしやすい犬猫に向いています。

  • 皮膚や粘膜を潤す(いか、たこ、ほたて)
  • 腎臓を潤す(かき)
  • 肝臓の血液を補い、精神状態を安定化する(かき)

体の水分が足りなくなる夏の暑い時期暑がりなコでは、体温の上昇を防いでくれます。高齢動物では腎臓に十分な水分を補うことで、腎臓を保護し、老化を緩やかにしてくれます。

このタイプの魚は、唾液が多い、むくみ(浮腫)などの症状が見られる場合は避けたほうがよいでしょう。

体を冷やす魚介類

体を冷やすタイプの魚介類は、体内にこもった異常な熱(炎症)を冷ましてくれる作用があります。塩分が他の魚よりも高いのが特徴で、かゆみや赤みのある皮膚炎繰り返す膀胱炎結膜炎発熱を伴う急性疾患攻撃性興奮しやすい無駄吠えなどが見られる時におすすめです。

  • 腎臓・尿路系の炎症を抑える(あさり、はまぐり)
  • 肝臓の炎症を抑える(かに)

これらの魚介類を主食にすることはほとんどないと思いますが、与えすぎると胃腸の冷えが進むことでさまざまな病気を起こす可能性があるので、上手に利用しましょう。

犬猫の体質から選ぶ

犬猫の体質別にみてみると、火・木タイプの犬猫は、体の中に熱がこもりやすいので中間タイプのお肉が適しており、特に暑がっている時には体を冷やす肉を使います。金・水タイプの犬猫は冷えやすいので、体を温めてくれるお肉がよいでしょう。土タイプは、どの種類のお肉でも大丈夫ですが、太りやすい傾向にあるので、やはり代謝を促進してくれる体を温めるタイプのお肉がおすすめです。

うちの犬猫は何タイプ?

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調味料やハーブによって作用を調節

さて、お肉編では調理方法による食べ物の温度作用の調節方法を説明しましたが、今回はもう一歩進んで、調味料やハーブを使って温度を調節してみましょう。

温める効果がある調味料
  • しょうが
  • 紫しそ
  • こしょう
  • パセリ
  • ローズマリー
  • 山椒
  • シナモン
  • クミン
  • 唐辛子
  • 八角(スターアニス)
  • フェンネル・シード
  • バジル
  • にんにく
潤す効果がある調味料
  • はちみつ
  • クコの実
  • ごま
冷やす効果がある調味料
  • しょうゆ
  • 発酵させたもの(味噌)
  • 海藻類(昆布、わかめ等)
  • ターメリック
  • セージ
  • タイム

ワンちゃんネコちゃんにとっては、好き嫌いが分かれるものが多いため、少量ずつ試してみてください。

塩分が高い醤油や味噌、ヨウ素濃度が高い海藻類、糖分が多いはちみつなどは控えめに。

アレルギー情報

意外に思えるかもしれませんが、魚アレルギーは猫で多くなっています。2013年に報告された統計では、犬の食物アレルギーの第9位、猫の食物アレルギーの第3位に魚がランクインしています。

  • 犬における魚アレルギーの割合 3.6%
  • 猫における魚アレルギーの割合 23.2%

(食物アレルギーの犬猫における割合で、犬・猫全体における割合ではありません。)

犬猫では、人間のピーナッツアレルギーや甲殻類アレルギーのようなアナフィラキシーショックよりも、同じ食材をある程度の期間与え続けることで、かゆみや外耳炎などの皮膚症状や軟便などの消化器症状が現れる「不耐性」や「過敏性」を起こす場合が多くなっています。

同じ種類の食品に偏らず、さまざまな食材をまんべんなく使用することで、ある程度は避けることができますが、消化機能が弱ったり、腸粘膜に異常が起きたような場合、何らかの理由で免疫系のバランスが損なわれた時などには、どのような犬猫でもアレルギーが生じる可能性があります。

食物アレルギーの診断や治療を行うには、疑われるすべての食品の給与を中止し、今までに与えたことのない食材に切り替える必要があります。そのため、肉や魚うち、最低でも1種類は与えずに取っておくことが大切です。

ペットフードを利用している場合は、購入の際に必ず原材料を確認し、どの種類の魚が使われているかきちんと記載されているものを選びましょう。「魚類」「フィッシュミール」などのように一般名で書かれているものについては、由来が確認できない場合があるので診断が難しくなります。

少なくとも1種類以上のタンパク質食品を与えずにとっておく

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