獣医師による手作り食・自然療法ガイド

ビタミンC

アスコルビン酸

ビタミンCは犬も猫も体内で合成することができるため、普段は与える必要はありません。でも、病気の時ストレス時(旅行やペットホテル滞在時)には必要な量が増えるため、いつもより多めに補ってあげましょう。ビタミンEや他の抗酸化成分と一緒に与えるのが理想的です。

毎日の食事で補える!抗酸化ブレンド
  1. ビタミンE(卵黄、アーモンド、植物油など)
  2. ビタミンC(ブロッコリー、芽キャベツ、ピーマンなどの緑黄色野菜)
  3. ベータカロテン(にんじん、ケール、パセリなどの緑黄色野菜)
  4. セレン腎臓肉、マグロ赤身、カツオ、ブラジルナッツなど)
  5. 含硫アミノ酸(肉、魚、卵)

一般的な機能と役割

  • フリーラジカルや一酸化窒素を抑制
  • 免疫力アップ
  • コラーゲン・エラスチンの合成(創傷治癒・骨の成長・皮膚や被毛のターンオーバー)
  • 薬物の代謝を助ける
  • L-カルニチンの合成

どんなときに与えればいいの?

  • ストレス時
  • 疾患時・疾患からの回復時
  • 作業犬・運動量の多い犬
  • 合性能が低下する高齢期
  • 肝障害(銅やの蓄積が疑われる場合を除く)

与える量の目安

サプリメントを使用する場合は、次の量を1日1〜2回食事に混ぜて与えましょう。ビタミンCは水溶性のため大量に与えても問題はありませんが、お腹がゆるくなることがあるため、軟便や下痢が生じた場合にはごく少量から始めて少しずつ増やしていくようにしましょう。

  • 猫・小型犬 50〜100 mg
  • 中型犬 100〜250 mg
  • 大型犬 250〜500 mg
アスコルビン酸はこれよりもずっと多い量で解毒や尿の酸性化に使われることがあります。

注意
シュウ酸カルシウム尿石の治療中は与えないようにしましょう。

ビタミンCの種類

食品に含まれるビタミンC(アスコルビン酸)

ケール・グァバ・赤黄ピーマン・芽キャベツ・ブロッコリー・パセリ・いちごなどに多く含まれています。

熱に弱いので、野菜は軽く加熱する程度で、葉物野菜や果物は生で与えましょう。

アスコルビン酸

食品中のビタミンCと同じ形態。食品由来の天然型と合成されたものがあり、価格が一番手頃。水溶性のため、吸収されにくいのが難点。大量に与えると消化器症状や尿の酸性化が起こることがあります。

動物病院では毒物による中毒やストルバイト尿石などの治療で尿の酸性化が必要な場合に高用量で使うことがあります。

中性ビタミンC

他の化合物と結合させることにより酸が中和されたタイプのビタミンCは、アスコルビン酸よりも吸収率がよく、消化器症状や尿の酸性化を起こしにくなっています。胃腸が弱い場合や尿pHを少しでも維持したいときにおすすめです。

  • 緩衝型ビタミンC:アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウムなど。pHを維持するバッファー作用があります。
  • パルミチン酸アスコルビル:水にも脂質にも溶けるビタミンC。
  • エスターC:持続型ビタミンC。人では特に免疫系に効果があることが報告されています。
  • リポソーム型ビタミンC:リポカプセル、リポ化ビタミンCとも呼ばれます。脂質膜でビタミンCを包み込んで吸収しやすくしたタイプ。

ビタミンCの含量は製品によって異なります。製品ラベルを確認しましょう。