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論文紹介 | 犬の癌の予防と治療にターメリックとローズマリーを

2016/8/18

ターメリック(ウコン)やローズマリーなどのハーブに抗腫瘍効果があることは人間ではよく知られていますが、今回、犬の腫瘍細胞にも効果があることが報告されたので、その論文を紹介します。

論文情報

Levine et al.「Effects and synergy of feed ingredients on canine neoplastic cell proliferation」 BMC Veterinary Research (2016) 12:159 DOI 10.1186/s12917-016-0774-9

論文リンク
概 要

この論文では、市販のドッグフードによく使用される天然成分である「黒こしょう」「緑茶」「ざくろの果皮」「ローズマリー」「ターメリック」の効果を検証。これらのエキスを生理学的に到達可能な濃度(0.4~100 µg/mL)で、犬の「肥満細胞腫」「乳がん」「骨肉腫」の培養細胞に添加し、腫瘍細胞の増殖が抑制されるか実験が行われました(注1)。

その結果、一番高い効果が認められたのはターメリックで、3種類すべての腫瘍細胞の増殖が抑制されました。次に効果が高かったのはローズマリーでしたが、低濃度では逆に腫瘍の増殖を促すことが示されました。緑茶は肥満細胞腫にはローズマリーと同程度の効果を示しましたが、他の腫瘍には高濃度の添加を必要としました。黒こしょう、ざくろ果皮については、腫瘍の増殖を抑えるには、かなり高い濃度で添加する必要があることがわかりました。

また、ターメリックとローズマリーを併用したところ、相乗効果により、それぞれより少ない濃度で同じ増殖抑制効果が得られることが確認されました。

さらに、ターメリックとローズマリーの併用が、抗がん剤(肥満細胞腫細胞にはトセラニブ、乳がん細胞と骨肉腫細胞にはドキソルビシン)の効果に影響を及ぼすかどうか検討が行われました。その結果、低用量では拮抗作用または相加作用が認められましたが、ある濃度を超えると相乗的に増殖を抑制することがわかりました。また、正常細胞の増殖に対する影響は認められませんでした。

注1)腫瘍細胞数が50%になる濃度(IC50)で判定が行われています。

犬の癌の予防と治療にターメリックとローズマリーを
結 論
  • ターメリックとローズマリーは、単独でも併用でも、犬の肥満細胞腫、乳がん、骨肉腫の培養細胞の増殖を抑制する。

 

  • ターメリックとローズマリーは、抗がん剤の作用を邪魔しないため、抗がん剤治療中でも与えることができると考えられる。
獣医師のコメント

さて、今回の実験は、細胞レベルでの研究でしたが、実際に犬にターメリックやローズマリーを与える際にはどのくらいの量を使用すれば腫瘍の予防や治療効果があるのでしょうか。

残念ながら、現在のところ、食事と一緒に与えたターメリックやローズマリーが犬の体内においてどの程度吸収され、どの組織にどのくらい分配されるかといった研究は行われていません。そのため、実際にどのくらいの量を摂取すれば、今回の論文で効果が証明された濃度に達するのかを科学的に推定することは困難です。

犬の腫瘍の治療をしてきた経験から、通常、私たちが処方する量は次の通りです。

ターメリック(ウコン)

  • ターメリックパウダー:体重5kg あたり小さじ1/8~1/4 1日1~2回
  • クルクミンとして:50~250 mg/kg 1日1~3回

ローズマリー

  • ハーブ:1頭あたり細かく刻んだものをひとつまみ~小さじ1。1日1~3回
  • チンキ剤:1回1~2滴から始めて、体重 10 kg あたり小さじ1/8まで。1日1~3回

注意:ローズマリーの精油は、犬の神経系に作用し、てんかん様発作を起こす可能性があることが知られているため、使用を避けましょう。生ハーブ、乾燥ハーブ、チンキ剤、エキスは安全に使用することができます。

いずれも、食事に混ぜて与えることができます。少量から始めて、匂いや味を嫌がらないか、嘔吐や下痢などをしないか様子を見ながら1~2週間かけて目標の量まで少しずつ増やしていくとよいでしょう。

特にターメリックは安全に与えることができ、抗炎症効果や肝臓を保護する効果など、がん以外の病気にも効果があり、調味料として手軽に入手することができます。治療だけではなく予防として、是非、今日から毎日の食事に取り入れてください。

ターメリックについて

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